どうやら、数学の教科書も加わり、あたしを巡る恋は修羅場と化したみたい。
混沌の渦に巻き込まれた三角関係。
正直、こう立て続けに何かあると、心臓がもたないよ。
あたしが意気消沈していると、校門前で有村くんたちと出くわした。
「あっ、芽衣様! 士稀様!」
「えっ? 有村くんとジュラルミン星人さん、どうしてここに?」
思わぬ遭遇に、あたしはきょとんとする。
有村くんが通っている中学校から、あたしたちが通っている中学校までは、かなり距離がある。
それなのに、どうして?
「実は、この学校までテレポートで来たんだ」
「ええっ!?」
その発言に、あたしは思わず、飛び上がりそうになる。
驚きのあまり、うまく言葉が出てこない。
「も、もしかして、ジュラルミン星人さん。テレポート、うまくできるようになったの?」
「短い距離だけどね。何度かテレポートを繰り返して、ここまでたどり着いたんだ」
有村くんは少しバツが悪そうに頭をかく。
「そうなんだ。すごい……!」
その衝動の赴くままに、あたしは両手をぎゅっと握った。
つまり、短距離なら、テレポートをコントロールできるようになったということだ。
「でも、テレポートを完全にマスターするのは時間がかかりそうなんだ。もしかしたら、争奪戦の日に間に合わないかも……」
『郁斗様、問題ありませんよ』
有村くんの不安に答えたのはスポナビさんだった。
『ジュラルミン星人様は、短距離なら、完全にテレポートをマスターされておられるようです』
「左様でござるか」
ジュラルミン星人さんは、はっとしたように顔を上げる。
『はい。世界発展のきっかけは作られています。これなら、芽衣様争奪戦をクリアすれば、エンディングに向けたルートが選べるでしょう』
「そうなんだ」
有村くんたちがもたらしてくれた吉報は、あたしたちを希望の光で包み込んだ。
どんなエンディングルートが表示されるのか、想像しただけでわくわくする。
まるで、ゲームのクリアを目前とした感覚だ。
今なら、何だってできる気がする。
だって、これはあたしの人生だ。
きっと、どこへでも行ける。
「人生は、ゲームに似ているかもしれないな」
高見橋くんのつぶやきは、言葉の意味とは裏腹に軽やかだった。
混沌の渦に巻き込まれた三角関係。
正直、こう立て続けに何かあると、心臓がもたないよ。
あたしが意気消沈していると、校門前で有村くんたちと出くわした。
「あっ、芽衣様! 士稀様!」
「えっ? 有村くんとジュラルミン星人さん、どうしてここに?」
思わぬ遭遇に、あたしはきょとんとする。
有村くんが通っている中学校から、あたしたちが通っている中学校までは、かなり距離がある。
それなのに、どうして?
「実は、この学校までテレポートで来たんだ」
「ええっ!?」
その発言に、あたしは思わず、飛び上がりそうになる。
驚きのあまり、うまく言葉が出てこない。
「も、もしかして、ジュラルミン星人さん。テレポート、うまくできるようになったの?」
「短い距離だけどね。何度かテレポートを繰り返して、ここまでたどり着いたんだ」
有村くんは少しバツが悪そうに頭をかく。
「そうなんだ。すごい……!」
その衝動の赴くままに、あたしは両手をぎゅっと握った。
つまり、短距離なら、テレポートをコントロールできるようになったということだ。
「でも、テレポートを完全にマスターするのは時間がかかりそうなんだ。もしかしたら、争奪戦の日に間に合わないかも……」
『郁斗様、問題ありませんよ』
有村くんの不安に答えたのはスポナビさんだった。
『ジュラルミン星人様は、短距離なら、完全にテレポートをマスターされておられるようです』
「左様でござるか」
ジュラルミン星人さんは、はっとしたように顔を上げる。
『はい。世界発展のきっかけは作られています。これなら、芽衣様争奪戦をクリアすれば、エンディングに向けたルートが選べるでしょう』
「そうなんだ」
有村くんたちがもたらしてくれた吉報は、あたしたちを希望の光で包み込んだ。
どんなエンディングルートが表示されるのか、想像しただけでわくわくする。
まるで、ゲームのクリアを目前とした感覚だ。
今なら、何だってできる気がする。
だって、これはあたしの人生だ。
きっと、どこへでも行ける。
「人生は、ゲームに似ているかもしれないな」
高見橋くんのつぶやきは、言葉の意味とは裏腹に軽やかだった。



