あの噂に隠された運命に涙する

『今日の吸引力は最強。こうしたいだけ。国語の教科書様を抱きしめる』
『爆弾をぎゅうぎゅうと抱きしめる』

それに輪をかけて、選択肢が謎すぎる!!
まるで、きつねにつままれた気分。
めちゃくちゃ混乱して、頭を抱えていると。

「うーん。爆弾は危険だと思う」
「確かに」

高見橋くんが出した答えに、あたしはあっさりと納得する。
うん、爆弾は危険だ。
あたしは残された選択、『今日の吸引力は最強。こうしたいだけ。国語の教科書様を抱きしめる』の選択肢に触れる。
すると、スポナビさんの温かいメッセージが浮かび上がった。

『おめでとうございます! 国語の教科書様の好感度がアップしました!』

何故か、国語の教科書の好感度を上げてしまったみたい。
しかも――。

『もう、偶然では片付けられない。これって、運命だよな。ありがとうな、俺を選んでくれて。結婚しよう。今すぐ、結婚しよう』

国語の教科書から、そんな声が聞こえたような気がした。

『芽衣様、大変です! 国語の教科書様の独占欲が加熱して、手がつけられなくなりましたーー!!』
「なにそれ!?」

スポナビさんが示した結論に、あたしは悲鳴を上げる。
ということは、先程の声は、本当に国語の教科書の声!?

『問題ない。今すぐ、抱きしめたいくらい、芽衣様が好き。な、なんと、数学の教科書様も、恋の争奪戦に参戦してきました!』
「ええっ!?」

突然の急展開に、あたしは目を白黒させる。