あの噂に隠された運命に涙する



翌日の日曜日。
診察などを終えた後、導き出した答えをもとに、あたしたちは『スムージーラリア』の世界に行った。

目的は、新たな転移者さんたちへの呼び込みのヒント。
そして、有村くんたちと一緒に、ゲームの世界の発展。

ログを追うことでしか、この世界の状況を把握できない。
それでも、この世界が抱える問題はまだまだ、山積みだ。
だけど、『スムージーラリア』の世界に一歩入った時から、いつもと様子が違うと思った。
その理由は、リビングに入ったことで判明する。

「芽衣ちゃん、今日、お誕生日でしょう。たくさんのデートのお誘いとプレゼントが届いているわよ」
「なにこれ!?」

うきうきと声を弾ませるお母さんが示したのは、家に入りきらないほどのプレゼントの山。
これってぜんぶ、あたしへの誕生日プレゼント。
うわあっ!?
いろいろとあり過ぎて忘れていたけれど、今日、誕生日だった。
しかも、プレゼントの箱だらけで、身動きが取れそうもない。
幸い、近くにあったプレゼントは箱が壊れていたので、中身を見ることができた。

原型を留めていない、どろどろのオムライス。
超すっぱい漬物の作り方のレシピ入りの漬物容器。
そして、『呪われしマンホール。このマンホールじゃない。間違えて、入ってしまったんだ』という謎めいたタイトルのホラー本。

……うん。
多分、これを送ったのはドラゴンさんたちだと思う。