あの噂に隠された運命に涙する

「……選択肢が絶望的すぎる」

有村くんの言葉に、はっと目覚めたような気持ちになる。
このままじゃダメだ。
あたしが弱気になったら、有村くんたちを不安にさせてしまう。
せっかく、この世界に来てくれたのに、恐ろしいドラゴン騒動に巻き込んでしまった。
正直、この状況をどう対応したらいいのか分からない。
それでも、あたしはあたしのできることをしたい。
だって、あたしは、この世界を創った『運命の女神』だから！！
そう強く誓った途端。

「大丈夫。大丈夫だよ、有村くん、ジュラルミン星人さん。あたしたちの力で、何とかしてみせる。だからきっと、大丈夫！」

この胸の中で渦巻く強い気持ちとともに、それを思いっきり吐き出したんだ。
ゲームの世界に入ったら、新しいことばかりで。
奇跡というのがもったいないくらい。
死と隣り合わせのあたしの世界の色を変えた。
今はさらに、この世界の先が見たくて、知りたくてたまらない。

「選ぶ選択肢は一つ……」
「そうだな」

あたしの決意に、高見橋くんはすべてを察したようだ。
その穏やかな顔が、その事実を裏づけていた。
だから、大丈夫。
高見橋くんと一緒なら、自分が見たい景色を見つけ、その場所へと走っていけると。
あたしはぐっと両こぶしを握りしめると、妖精警察官さんたちに話しかけることにした。