あの噂に隠された運命に涙する

「……好き好き好き好き好き。芽衣様が欲しい。僕に、しなよ。これから先の芽衣様の未来、僕に独占させて? 後悔はさせないよ。僕のもとにくれば、新婚生活は『カビだらけのくそまずいオムライスを食べながら、マンホールの下でじめじめ暮らせる』」

ブラックドラゴンさんは負けじと早口で、ありったけの意志を込めて宣言する。
『新婚生活』は、結婚して夫婦として生活を始める、最初の期間のことだけど。
何故、暮らす場所がマンホールの下?
そう思った瞬間、三体のドラゴンさんたちの間にバチッと火花が散った。

『芽衣様、モテモテですね。今にも芽衣様を巡って、戦いの火蓋が切って落とされそうです』

チラッと視線を向けると、スポナビさんは他人事のようなメッセージを表示させている。

なんで、こんなことに?

あたしがひたすら頭を抱えていると、新たなイベントメッセージが飛び出してきた。

『押し潰され溺愛死亡ルート確定。ドラゴン様たちの愛を受け入れて、三体ともお付き合いする』
『さすらいの逃亡計画。妖精警察官様たちに話しかける』
『これが花嫁修業。人気急上昇中のドラゴンファッション系の毒舌インフルエンサーになる』

うわあっ!?
謎めいた選択肢が出てきた!!
ドラゴンファッション系の毒舌インフルエンサーって一体?
このまま家に帰るつもりが、まさかの波乱の神様ライフになってしまった。