あの噂に隠された運命に涙する

「それに『スムージーラリア』で起きた出来事は、現実世界でも反映される。現実世界で有村くんをいじめていた奴らは今後、悔い改めることになるはずだ」
「……あいつらは、そんなに簡単に悔い改めたりしない……」

高見橋くんの言葉に、有村くんが不本意そうに食い下がる。
そして、少し間を置いた後、どっと疲れた様子でため息をついた。

「そこまで言うのなら、証明してみせてよ。もし、君たちが言うことが本当なら、『スムージーラリア』に転移してもいい」
「ほんと?」

有村くんの宣言に、あたしの顔がぱあっと明るくなる。

「ただし、ウソだったら、転移なんかしないからな」
「うん、ありがとう」
「……別に」

あたしの感謝の言葉に、有村くんは居心地悪そうに視線をそらす。

よし、がんばるぞ!

あたしはやる気をみなぎらせる。
有村くんを取りまく『世界』そのものを変えてみせる。
そうしないと、せっかくの決意に泥を塗ってしまうから。

『では、話がまとまったようなので明日、みんなでスムージーラリアに行きましょう。スムージーラリアで起きた出来事は、現実世界でも反映されます。郁斗様をいじめていた者たちは一人残らず、郁斗様の下僕に変えてしまいましょう!』

恐ろしいメッセージを浮かび上がらせているのはスポナビさんだ。
少し調子が狂うと感じつつも、彼らに同情の余地はなさそう。

『最終的には、地獄巡りの旅にお連れしますよ! こう見えても、わたくし、えんま大王様とは大親友なのです! よく、ままごと遊びや砂遊びをして遊んでいましたよ!』

スポナビさんはさらに、妙なことをのたまい出した。
あたしたちは信じられないものを見るような目を、スポナビさんに向ける。

「彼らは、想像以上の仕打ちを受けそうだな」

詰みを悟った高見橋くんは、やれやれとため息をついた。

『あ、転生特典はちゃんとお選びください。皆様、郁斗様の従者になりたいと張りきっておられますので』
「……じゃあ、ジュラルミン星人さんで」

名前と必殺技に難はあるけれど、有村くんは無難なジュラルミン星人さんを選んだ。
その途端――。

『次回予告、双子の女神様は、愛され転移者様を推し活する。禁断の機械兵器、ジュラルミン星人様のもふもふ改め、ゴツゴツライフ。こうご期待!!』

スポナビさんは軽やかな次回予告を流したのだった。