あの噂に隠された運命に涙する

『有村郁斗様。芽衣様が創った世界に転移すると、転生特典としてめちゃくちゃすごい、外れスキル、お笑いスキルを授けますよ』
「……お笑いスキル?」

さらに困惑する内容に、有村くんは面喰ったように言葉に詰まる。

『ちなみに、お笑いスキルとは、人を笑わせるための様々な能力のことです! 極めれば、お笑い芸人になることも夢ではありません!』

ふふんと、スポナビさんは胸を張るようなメッセージを浮かび上がらせる。
その時、高見橋くんが大慌てで駆け寄った。

「スポナビさん、その転生特典はちょっと……!」
『ええっ!? お笑いスキル、すごくないですか?』

漫才みたいなかけ合いをするあたしたちを見て、有村くんは呆気に取られていた。
そして――。

「双子……?」

じっーとあたしと高見橋くんを見比べた。
もしかしたら、瓜二つなあたしたちを見てびっくりしたのかもしれない。
ドタバタした状況。
正直、置いていかれそうになる中、どうにか思考が追いつく。
あたしは改めて、これからのことを考える。

それにしても鑑定能力、錬金術、気配遮断などのスキルはどこへ?
スポナビさんがすすめるスキルは、あまり役に立ちそうもない。
スキルがダメとなると……。

改めて、頭をぐるぐると悩ませる。
うーん、仕方ない。
その転生特典がダメなら。