*
そう意気込んだのも束の間……数日後。
あたしは病にむしばまれたことによって、ベッドから身動きが取れなくなっていた。
もうろうとした意識。
もやがかかったように、視界が白く塗りつぶされていく。
身体の感覚も薄れて、まるでまどろみに落ちるようだった。
遠くなる意識の中、あたしは強く願う。
ーースペアに会いたい。
そして、未知のゲームのことを聞きたい。
その願った瞬間、あたしの意識は闇に落ちる。
頭が真っ白になって――そして、目の前が真っ暗になった。
「神楽木さん」
次に目が覚めた時、誰かのかすれた声が聞こえた。
「そこにいるの、神楽木さんだよな? 昨日、スペアに会いたいと願った?」
その声に振り返った瞬間、あたしは言葉を失う。
――ふわりと揺れる黒髪。
目が合っただけで一瞬、呼吸を忘れかけた。
「ええっ、高見橋くん!? どうして、ここにいるの?」
声が思わず、裏返る。
そこにいたのは、同じクラスの男の子だったからだ。
彼は高見橋士稀くん。
その名前は、あたしたちの学校に通う生徒なら知らない者はいない。
さらさらの絹のような黒髪に、アイドルのような整った顔立ち。
性格は穏やかで、気さくな雰囲気。
頭がよくて、運動神経抜群で、しかも家がお金持ちという。
かっこいい三拍子がそろった男の子。
そう意気込んだのも束の間……数日後。
あたしは病にむしばまれたことによって、ベッドから身動きが取れなくなっていた。
もうろうとした意識。
もやがかかったように、視界が白く塗りつぶされていく。
身体の感覚も薄れて、まるでまどろみに落ちるようだった。
遠くなる意識の中、あたしは強く願う。
ーースペアに会いたい。
そして、未知のゲームのことを聞きたい。
その願った瞬間、あたしの意識は闇に落ちる。
頭が真っ白になって――そして、目の前が真っ暗になった。
「神楽木さん」
次に目が覚めた時、誰かのかすれた声が聞こえた。
「そこにいるの、神楽木さんだよな? 昨日、スペアに会いたいと願った?」
その声に振り返った瞬間、あたしは言葉を失う。
――ふわりと揺れる黒髪。
目が合っただけで一瞬、呼吸を忘れかけた。
「ええっ、高見橋くん!? どうして、ここにいるの?」
声が思わず、裏返る。
そこにいたのは、同じクラスの男の子だったからだ。
彼は高見橋士稀くん。
その名前は、あたしたちの学校に通う生徒なら知らない者はいない。
さらさらの絹のような黒髪に、アイドルのような整った顔立ち。
性格は穏やかで、気さくな雰囲気。
頭がよくて、運動神経抜群で、しかも家がお金持ちという。
かっこいい三拍子がそろった男の子。



