あの出来事から数日後。
休日の病院は、お見舞いの人が多く訪れる。
耳をすませば、話し声があちこちで響いている。
もちろん、あたしの病室も例外ではない。
「芽衣ちゃん、他に必要なものはある?」
あたしを心配して、忙しなく動き回るお母さんの姿があった。
いつものように、着替えとかを届けにきてくれたんだ。
あたしの声は相変わらず、お母さんに届かない。
現実世界の出来事は、高見橋くんに任せているけれど。
あたしの声がいつか、お母さんに届いてほしいな。
でも、もし、その願い事が叶ったら、きっと嬉しすぎて涙がこみ上げてしまう。
お母さんが帰ると、その途端に病室は静まり返る。
二人だけの病室は、どこか夏の匂いがした。
「高見橋くん」
「神楽木さん、どうかしたのか?」
呼んだら、高見橋くんが振り向いてくれる。
今でもやっぱり、夢みたいだ。
「……あ、その、有村くんたち、待っているし、そろそろ行こう」
「そうだな」
高見橋くんが、あたしの隣にいて。
あたしの提案に、嬉しそうな顔をしている。
ただ、それだけなのに、胸がつまってうまく声が出ない。
「な……何だか、不思議」
もじもじと指をいじりながら、あたしは言った。
「『スムージーラリア』に行くの、すごく楽しみになっている」
「俺もだよ。すごく楽しい」
その言葉は、あたしが感じていたことと同じだった。
「不思議だな。自分の中に、こんな気持ちがあるなんて知らなかった。神楽木さんと一緒にいると、今まで知らなかった自分を知れるんだ」
高見橋くんはちらりとあたしを見た。
「神楽木さん、ありがとう」
「あ……あたしこそ、ありがとう!」
どっくん。どっくん。
心臓の動きが、めちゃくちゃ速くなる。
高見橋くんが、あたしのスペアになってから、毎日が幸せに満ちあふれていた。
休日の病院は、お見舞いの人が多く訪れる。
耳をすませば、話し声があちこちで響いている。
もちろん、あたしの病室も例外ではない。
「芽衣ちゃん、他に必要なものはある?」
あたしを心配して、忙しなく動き回るお母さんの姿があった。
いつものように、着替えとかを届けにきてくれたんだ。
あたしの声は相変わらず、お母さんに届かない。
現実世界の出来事は、高見橋くんに任せているけれど。
あたしの声がいつか、お母さんに届いてほしいな。
でも、もし、その願い事が叶ったら、きっと嬉しすぎて涙がこみ上げてしまう。
お母さんが帰ると、その途端に病室は静まり返る。
二人だけの病室は、どこか夏の匂いがした。
「高見橋くん」
「神楽木さん、どうかしたのか?」
呼んだら、高見橋くんが振り向いてくれる。
今でもやっぱり、夢みたいだ。
「……あ、その、有村くんたち、待っているし、そろそろ行こう」
「そうだな」
高見橋くんが、あたしの隣にいて。
あたしの提案に、嬉しそうな顔をしている。
ただ、それだけなのに、胸がつまってうまく声が出ない。
「な……何だか、不思議」
もじもじと指をいじりながら、あたしは言った。
「『スムージーラリア』に行くの、すごく楽しみになっている」
「俺もだよ。すごく楽しい」
その言葉は、あたしが感じていたことと同じだった。
「不思議だな。自分の中に、こんな気持ちがあるなんて知らなかった。神楽木さんと一緒にいると、今まで知らなかった自分を知れるんだ」
高見橋くんはちらりとあたしを見た。
「神楽木さん、ありがとう」
「あ……あたしこそ、ありがとう!」
どっくん。どっくん。
心臓の動きが、めちゃくちゃ速くなる。
高見橋くんが、あたしのスペアになってから、毎日が幸せに満ちあふれていた。



