あの噂に隠された運命に涙する

「……婚約者候補って、もしかして、胸キュンしたら、その人があたしの婚約者になるの?」

改めて、言葉にしてみる。
すると、『パンパカパーン』という効果音とともに、祝福するようなメッセージが浮かび上がった。

『芽衣様、ご安心ください。婚約発表はテレビで生放送されますから!』
「うわああああああああ!! なにそれーー!!」

能天気なスポナビさんのメッセージが、かすんで見えた。
やっぱり、勘違いじゃない。

イベントをクリアしたら、その人と婚約することになる。
でも、イベントを失敗したら、エンディングに向けたルートの解放はない。
どうしたら、いいんだろう。

二律背反に陥っていると。

「神楽木さん。『運命の女神』と『神託』の機能を同時に使ったら、何とかなるかもしれない」

高見橋くんが、あたしたちの間に割って入ってきた。

「えっ? 二つ、同時に使うの?」

あたしはびっくりして問いかける。
だって、二つ、同時に使うって。
それって一体――。

「ああ。『運命の女神』の機能を使って、婚約をしない形で、今回のイベントをクリアする。そして、『神託』の機能で、今回の参加者にそのことを納得してもらうんだ」
「あっ……なるほど」

その説明に、あたしははっとした。
確かにそうすれば、婚約をしなくてもイベントをクリアすることができる。