*
争奪戦が始まって、三時間が経とうとしていた。
窓に視線を向けると、もう朝の雨はどこかへ行ってしまった。
初夏をはらむ晴れた空は、夏のぬくもりを抱いたままで、あたしたちを優しく包み込んでくれる。
そう思うと、心の奥で、少しだけ波が引いたように感じた。
『エントリーナンバー、158番。一匹狼のスライムキング様。床ドンからの愛の告白を失敗した黒歴史はたくさん、友達大募集中!』
「まだ、続くの……」
スポナビさんのメッセージに、あたしはうんざりとした顔でつぶやいた。
相変わらず、あたしのクラスの教室の前には、長蛇の列ができている。
途切れる気配は一向にない。
高見橋くんと一緒に、何とか学校に登校した後。
朝のホームルーム。
授業中。
事あるごとに、あたしの婚約者候補が教室に乱入して大騒ぎになったんだ。
しかも、訪れるのは個性溢れる婚約者候補ばかり。
謎のシチュエーションやセリフが、今も強烈に脳裏に刻まれている。
先生たちも、今回の争奪戦のことを知っているからか、特例で、部外者が学校に入ることを許可しているみたい。
何で!?
「このままじゃ、争奪戦のイベントのクリアは難しいよ……」
こんな泣き言を言うつもりじゃなかったのに。
口から突いて出る言葉は、不安や恐れにまみれた言葉ばかりだった。
個性溢れる婚約者候補ばかりで、イベントクリアは厳しい。
――あれ?
そこで、あたしはふと、あることに気づいた。
大事なことを見落としていたことに。
争奪戦が始まって、三時間が経とうとしていた。
窓に視線を向けると、もう朝の雨はどこかへ行ってしまった。
初夏をはらむ晴れた空は、夏のぬくもりを抱いたままで、あたしたちを優しく包み込んでくれる。
そう思うと、心の奥で、少しだけ波が引いたように感じた。
『エントリーナンバー、158番。一匹狼のスライムキング様。床ドンからの愛の告白を失敗した黒歴史はたくさん、友達大募集中!』
「まだ、続くの……」
スポナビさんのメッセージに、あたしはうんざりとした顔でつぶやいた。
相変わらず、あたしのクラスの教室の前には、長蛇の列ができている。
途切れる気配は一向にない。
高見橋くんと一緒に、何とか学校に登校した後。
朝のホームルーム。
授業中。
事あるごとに、あたしの婚約者候補が教室に乱入して大騒ぎになったんだ。
しかも、訪れるのは個性溢れる婚約者候補ばかり。
謎のシチュエーションやセリフが、今も強烈に脳裏に刻まれている。
先生たちも、今回の争奪戦のことを知っているからか、特例で、部外者が学校に入ることを許可しているみたい。
何で!?
「このままじゃ、争奪戦のイベントのクリアは難しいよ……」
こんな泣き言を言うつもりじゃなかったのに。
口から突いて出る言葉は、不安や恐れにまみれた言葉ばかりだった。
個性溢れる婚約者候補ばかりで、イベントクリアは厳しい。
――あれ?
そこで、あたしはふと、あることに気づいた。
大事なことを見落としていたことに。



