六月下旬。
新たな出会いと別れが交錯する夏の始まりは、夢のように輝いていた。
二人だけの病室は静かだ。
ここは特別な思い出がある場所。
だからこそ、あの現象を待つのにはうってつけだった。
あたしたちは、その時が来るまでじっと待つ。
これから始まる、抱きしめたくなるような、愛おしい瞬間を。
そして――。
『芽衣様、お待たせいたしました! 困った時はいつでもわたくしをお呼びください!』
すべてを台無しにする、嵐のメッセージを。
新たな出会いと別れが交錯する夏の始まりは、夢のように輝いていた。
二人だけの病室は静かだ。
ここは特別な思い出がある場所。
だからこそ、あの現象を待つのにはうってつけだった。
あたしたちは、その時が来るまでじっと待つ。
これから始まる、抱きしめたくなるような、愛おしい瞬間を。
そして――。
『芽衣様、お待たせいたしました! 困った時はいつでもわたくしをお呼びください!』
すべてを台無しにする、嵐のメッセージを。



