この手に愛と真実を〜クールな検事の一途な想い〜【書籍化】

「おはようございます、矢島さん」

いつもの相談室に入ると、パソコンに向かっていた矢島が顔を上げる。

「おはよう、深月さん。今日もオシャレだね」
「あ、えっと。私のチョイスではないんですけど」
「似合ってるよ。新鮮だな、深月さんのワンピース姿」

今日は上がオフショルダー、下がプリーツスカートのドッキングワンピースだった。
ウエストの高い位置で切り替わった、水色のスカートが夏らしい。

「矢島さん、朝食をどうぞ」
「え、今日も作って来てくれたの? 嬉しいなあ、ありがとう。夕べの夜食も美味しかったよ」
「よかったです。夏バテしないように気をつけてくださいね」

並んで座った矢島と礼央の前に、凜香はホットサンドとスープやサラダを並べる。
二人ともあっという間に平らげた。