「では食べましょうか。いただきます」
ローテーブルにずらりと並べられた凜香の手料理を、礼央はまじまじと見つめる。
「すごいごちそうだな」
「全部地味な和食ですよ?」
「いや、どれも美味しそうだ」
「さては朝比奈さん、いつも脂っこいものばかり食べてましたね?って、だからよく噛んで食べてください!」
「美味しいから仕方ない」
「ど、どういうこと?」
多めに作ったのに、あっという間に礼央は食べ終わった。
「ごちそうさまでした」
丁寧に手を合わせる礼央にお茶を淹れてから、凜香は容器に入れたおかずを差し出す。
「これ、矢島さんの分です。よかったらお夜食にでも」
「いいのか? あいつ、喜ぶぞ」
「ふふふ、なんですかそれ」
一度ハマるとどうにもおかしくてたまらない。
凛花は礼央の一挙手一投足が気になって仕方なかった。
肩を震わせて笑いをこらえていると、礼央も呆れたように笑みをもらす。
「そんな性格だったのか」
「ん? なにがですか?」
「いや、ずっと仕事ができるやり手の女性だと思ってたから」
「その通りですよ?」
「どこがだ!?」
「あはは! もうだめ、全部おもしろくなっちゃう」
やれやれとため息をつく礼央に、ようやく笑いを収めて凜香が声をかけた。
「朝比奈さん、そろそろ戻ってください。矢島さんも待ってるでしょうから」
「……いいのか?」
「はい、もう大丈夫です。すっかり元気になりました」
「そうか。でもなにかあったらすぐに連絡するように」
「わかりました」
「あと、寝る前にメッセージを送って」
「え? なんて?」
「寝ますって」
ぶっと吹き出しそうになり、かろうじてこらえた。
「……わかりました。送ります」
「ああ。それじゃあ」
立ち上がった礼央を、凜香は玄関で見送る。
「お気をつけて行ってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」
去って行くたくましい後ろ姿に、またしてもふふっと笑みをもらした。
ローテーブルにずらりと並べられた凜香の手料理を、礼央はまじまじと見つめる。
「すごいごちそうだな」
「全部地味な和食ですよ?」
「いや、どれも美味しそうだ」
「さては朝比奈さん、いつも脂っこいものばかり食べてましたね?って、だからよく噛んで食べてください!」
「美味しいから仕方ない」
「ど、どういうこと?」
多めに作ったのに、あっという間に礼央は食べ終わった。
「ごちそうさまでした」
丁寧に手を合わせる礼央にお茶を淹れてから、凜香は容器に入れたおかずを差し出す。
「これ、矢島さんの分です。よかったらお夜食にでも」
「いいのか? あいつ、喜ぶぞ」
「ふふふ、なんですかそれ」
一度ハマるとどうにもおかしくてたまらない。
凛花は礼央の一挙手一投足が気になって仕方なかった。
肩を震わせて笑いをこらえていると、礼央も呆れたように笑みをもらす。
「そんな性格だったのか」
「ん? なにがですか?」
「いや、ずっと仕事ができるやり手の女性だと思ってたから」
「その通りですよ?」
「どこがだ!?」
「あはは! もうだめ、全部おもしろくなっちゃう」
やれやれとため息をつく礼央に、ようやく笑いを収めて凜香が声をかけた。
「朝比奈さん、そろそろ戻ってください。矢島さんも待ってるでしょうから」
「……いいのか?」
「はい、もう大丈夫です。すっかり元気になりました」
「そうか。でもなにかあったらすぐに連絡するように」
「わかりました」
「あと、寝る前にメッセージを送って」
「え? なんて?」
「寝ますって」
ぶっと吹き出しそうになり、かろうじてこらえた。
「……わかりました。送ります」
「ああ。それじゃあ」
立ち上がった礼央を、凜香は玄関で見送る。
「お気をつけて行ってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」
去って行くたくましい後ろ姿に、またしてもふふっと笑みをもらした。



