マンションの部屋に戻ると、凜香はベッドに腰掛けて物思いにふける。
(黒岩副社長の仲間が誰なのか、もうわかってるんだろうな。矢島さんも、朝比奈さんも)
だが敢えて凜香には言わない。
それが今の凜香には不安要素だった。
(私に言えないような相手……。言えば私を怖がらせるから? それって?)
とてつもなく大きな黒い影に狙われているような気がして、凜香は思わず両手で自分を抱きしめた。
ふと窓の外を見ると、誰かに見られているような錯覚に陥る。
立ち上がると急いでカーテンを閉めた。
(どうしよう、怖い。朝比奈さん、いつ帰ってくる?)
時刻はまだ十四時だ。
着替えに帰ってくるにしてもまだまだ先だろう。
(落ち着いて。外は明るいし、ここは安全なんだから。そうだ、夕飯を作ろう。たくさん作って、朝比奈さんにも差し入れしよう)
気持ちを切り替えてキッチンに立つ。
雑念を振り払うように、サバの味噌煮とかぼちゃの煮物、なすの揚げ浸しときゅうりの酢の物を次々と作った。
だが、作り終えるとまた不安に駆られる。
結局食事をする気にもなれず、凜香はひとり膝を抱えて涙をこらえていた。
(黒岩副社長の仲間が誰なのか、もうわかってるんだろうな。矢島さんも、朝比奈さんも)
だが敢えて凜香には言わない。
それが今の凜香には不安要素だった。
(私に言えないような相手……。言えば私を怖がらせるから? それって?)
とてつもなく大きな黒い影に狙われているような気がして、凜香は思わず両手で自分を抱きしめた。
ふと窓の外を見ると、誰かに見られているような錯覚に陥る。
立ち上がると急いでカーテンを閉めた。
(どうしよう、怖い。朝比奈さん、いつ帰ってくる?)
時刻はまだ十四時だ。
着替えに帰ってくるにしてもまだまだ先だろう。
(落ち着いて。外は明るいし、ここは安全なんだから。そうだ、夕飯を作ろう。たくさん作って、朝比奈さんにも差し入れしよう)
気持ちを切り替えてキッチンに立つ。
雑念を振り払うように、サバの味噌煮とかぼちゃの煮物、なすの揚げ浸しときゅうりの酢の物を次々と作った。
だが、作り終えるとまた不安に駆られる。
結局食事をする気にもなれず、凜香はひとり膝を抱えて涙をこらえていた。



