駅から徒歩五分ほどのところにある品川警察署に駆け込み、凛香は息を弾ませながら受付の警察官に訴える。
「すみません、不審な男性にあとをつけられています」
「どんな男ですか? 今もあなたのあとをつけていたのですか?」
「はい。スーツ姿の三十歳くらいの人です」
そう言って凛香は、スマートフォンで動画を再生してみせた。
「ちょっと失礼。うーん、やや不鮮明ですが、解析してみます。このスマホ、お借りしてもいいですか?」
「はい」
その時ふいにうしろから「その必要はありません」と声がした。
え?と振り向くと、まさにさっきの男性が肩で息を整えながら立っている。
「この人です!」
凛香は思わずあとずさり、すがるように受付の警察官の腕を掴んだ。
不審な男性はスーツの内ポケットに手を入れてから、取り出したチョコレート色の手帳を開いて凛香に見せる。
顔写真とエンブレム、そしてPOLICEの刻印が目に飛び込んできた。
「え、警察官?」
苦虫を噛みつぶしたような表情で手帳をしまう男性を、凛香はまじまじと見つめていた。
「すみません、不審な男性にあとをつけられています」
「どんな男ですか? 今もあなたのあとをつけていたのですか?」
「はい。スーツ姿の三十歳くらいの人です」
そう言って凛香は、スマートフォンで動画を再生してみせた。
「ちょっと失礼。うーん、やや不鮮明ですが、解析してみます。このスマホ、お借りしてもいいですか?」
「はい」
その時ふいにうしろから「その必要はありません」と声がした。
え?と振り向くと、まさにさっきの男性が肩で息を整えながら立っている。
「この人です!」
凛香は思わずあとずさり、すがるように受付の警察官の腕を掴んだ。
不審な男性はスーツの内ポケットに手を入れてから、取り出したチョコレート色の手帳を開いて凛香に見せる。
顔写真とエンブレム、そしてPOLICEの刻印が目に飛び込んできた。
「え、警察官?」
苦虫を噛みつぶしたような表情で手帳をしまう男性を、凛香はまじまじと見つめていた。



