「どうぞ、入って」
「はい、失礼します」
客室に戻ると、矢島の姿はなかった。
礼央はインカムで呼びかける。
「矢島、俺だ。今どこにいる?」
ピッとノイズがしてすぐに返事が返ってきた。
『今、バンケットホールにいます。カメラの撤収完了したので、これから客室に戻ります』
「わかった。その前に一件、防犯カメラで確認してもらいたい」
そう言うと、礼央は凛香を振り返る。
「君と社長が使っていた部屋の番号は?」
「一五〇三です」
小さく頷くと、礼央は再びマイクのスイッチを入れた。
「矢島、今から五分ほど前に一五〇三号室に入っていった男女の映像をもらってきてくれ」
『一五〇三ですね、了解です』
ピッと通話が終わり、礼央は凛香に歩みよる。
「そこのベッドで少し横になってて」
「いえ、あの。結構です」
凛香が首を振るが、礼央は聞き流して凛香の肩からバッグを取った。
と、ふと凛香の着ているスーツに目を留める。
「そのままだとシワになるか。 今着替えを……」
「いえ! このままで大丈夫ですから」
クローゼットからナイトウェアを取り出す礼央を、凛香は慌てて止める。
仕方なく、ジャケットとパンプスを脱いでからベッドに横になった。
礼央がシーリングライトを少し絞る。
「まぶしくないか?」
「はい。ありがとうございます」
「少しでもいいから、眠るといい」
こんな状況で眠れるわけない。
そう思っていたのに、しばらくすると凛香はすーっと眠りに落ちていった。
「はい、失礼します」
客室に戻ると、矢島の姿はなかった。
礼央はインカムで呼びかける。
「矢島、俺だ。今どこにいる?」
ピッとノイズがしてすぐに返事が返ってきた。
『今、バンケットホールにいます。カメラの撤収完了したので、これから客室に戻ります』
「わかった。その前に一件、防犯カメラで確認してもらいたい」
そう言うと、礼央は凛香を振り返る。
「君と社長が使っていた部屋の番号は?」
「一五〇三です」
小さく頷くと、礼央は再びマイクのスイッチを入れた。
「矢島、今から五分ほど前に一五〇三号室に入っていった男女の映像をもらってきてくれ」
『一五〇三ですね、了解です』
ピッと通話が終わり、礼央は凛香に歩みよる。
「そこのベッドで少し横になってて」
「いえ、あの。結構です」
凛香が首を振るが、礼央は聞き流して凛香の肩からバッグを取った。
と、ふと凛香の着ているスーツに目を留める。
「そのままだとシワになるか。 今着替えを……」
「いえ! このままで大丈夫ですから」
クローゼットからナイトウェアを取り出す礼央を、凛香は慌てて止める。
仕方なく、ジャケットとパンプスを脱いでからベッドに横になった。
礼央がシーリングライトを少し絞る。
「まぶしくないか?」
「はい。ありがとうございます」
「少しでもいいから、眠るといい」
こんな状況で眠れるわけない。
そう思っていたのに、しばらくすると凛香はすーっと眠りに落ちていった。



