青春の軌跡!

この間にも「お前が悪い!」「いやあんたの方が!」と言い争っている二人は、外崎と佐々木の会話にまるで気がついていない。
きっと気が付いていたら、“保護者って何ですか!”とどちらからともなく抗議の声が飛んだだろう。
特に逢坂は、保護者として指名されたのが後輩の石田なので、より物申したいことと思う。

「頼まれてもらえるかな?」

困ったように眉を下げつつ、口元には柔らかい笑みを浮かべる佐々木。
相手が教師であるというのもあるし、佐々木が新聞部にとって恩人であることは外崎も承知しているので、断るという選択肢はなかった。
なにより、こんなに困り顔で頼まれては断れない。

「じゃああの……ちょっと行って来ます。いっしー先輩はたぶん部室にいると思うのですぐに連れて来られますけど、笹崎先輩はもし生徒会室にいなかったら時間がかかるかもしれません」

「うん、大丈夫だよ。せめてどちらか一人でも来てくれれば。ありがとう外崎さん、よろしくね」

自分が逢坂に助けを求めたことが事の発端のようなものなので、何とも言えない申し訳なさを感じつつ、外崎は小走りにその場を離れ三階へ向かった。