「いっしー先輩、ちょっとお話があるのでこちらへ」
とても先輩を見ているとは思えないような冷ややかな目で、そして声で呼びかけられ、石田はがっしりと腕を掴まれて問答無用で階段の方へと連行される。
――そして、今に至る。
「いっしー先輩って、そういうことは絶対にしないタイプの善良民かと思っていたんですけどね」
「善良民……。いや、あの、さっきも言ったけど、本当にわざとじゃなくて、行くに行けなくなっちゃっただけで」
「だったら戻ればよかったのでは?部室に行くには遠回りになりますけど、向こうの階段から行くことだって出来たじゃないですか」
それは確かに、外崎の言う通りだ。なにも、階段は一つしかないわけではない。
遠回りするのが苦だったとかそういうことでもなくて、単純にあの時の石田の頭に、その選択肢が浮かばなかったのだ。
「あの……本当にすみませんでした」
ここは相手が後輩といえども、丁寧に謝っておくに越したことはない。
「以後気を付けてくださいね。あと、部長には絶対に言わないって約束も忘れないでください」
とても先輩を見ているとは思えないような冷ややかな目で、そして声で呼びかけられ、石田はがっしりと腕を掴まれて問答無用で階段の方へと連行される。
――そして、今に至る。
「いっしー先輩って、そういうことは絶対にしないタイプの善良民かと思っていたんですけどね」
「善良民……。いや、あの、さっきも言ったけど、本当にわざとじゃなくて、行くに行けなくなっちゃっただけで」
「だったら戻ればよかったのでは?部室に行くには遠回りになりますけど、向こうの階段から行くことだって出来たじゃないですか」
それは確かに、外崎の言う通りだ。なにも、階段は一つしかないわけではない。
遠回りするのが苦だったとかそういうことでもなくて、単純にあの時の石田の頭に、その選択肢が浮かばなかったのだ。
「あの……本当にすみませんでした」
ここは相手が後輩といえども、丁寧に謝っておくに越したことはない。
「以後気を付けてくださいね。あと、部長には絶対に言わないって約束も忘れないでください」



