「あとで忘れずデータ送ってね。絶対忘れないでよ!」
「いつだって忘れず送ってるでしょ。だから、送るまで鬼のようにメッセージ飛ばして来るのやめてくれる。鬱陶しいから」
どうやら相手は、外崎とメッセージのやり取りをするほどの仲であるらしい。
相手がとても気になる。たった今通りかかった風を装って出て行けば、相手の顔が見られるのだが、果たして自分にそんな自然な演技が出来るだろうか。
石田が悩んでいるうちに、「じゃあまたね」と別れを告げる相手の声がした。
「忘れずデータ――」
「わかってるってのしつこいな!」
「次のも期待してるから。ちゃんとピント合わせてきてよね」
「いつだって合ってますけどね」
階段を上がって行く足音がして、石田は少しばかり残念な気持ちで小さく息をつく。
でもまあ、後輩の話を盗み聞きしてしまった後ろめたさも手伝って、きっと自然に出て行くことなど出来なかっただろうからこれでよかったのだ。
そう自分を納得させて今度こそ足を踏み出すと
「いつだって忘れず送ってるでしょ。だから、送るまで鬼のようにメッセージ飛ばして来るのやめてくれる。鬱陶しいから」
どうやら相手は、外崎とメッセージのやり取りをするほどの仲であるらしい。
相手がとても気になる。たった今通りかかった風を装って出て行けば、相手の顔が見られるのだが、果たして自分にそんな自然な演技が出来るだろうか。
石田が悩んでいるうちに、「じゃあまたね」と別れを告げる相手の声がした。
「忘れずデータ――」
「わかってるってのしつこいな!」
「次のも期待してるから。ちゃんとピント合わせてきてよね」
「いつだって合ってますけどね」
階段を上がって行く足音がして、石田は少しばかり残念な気持ちで小さく息をつく。
でもまあ、後輩の話を盗み聞きしてしまった後ろめたさも手伝って、きっと自然に出て行くことなど出来なかっただろうからこれでよかったのだ。
そう自分を納得させて今度こそ足を踏み出すと



