青春の軌跡!

まあそれだけが理由でもなくて、“お手伝い”と体よく言い換えただけの雑用を言い渡されることもしばしばなので、それに対する不満もあるのだろうが。

「ともかく!これは由々しき事態よ。いい加減私達は抗議運動をしてもいい頃だと思う。立ち上がるのよ!新聞部の未来のために」

「さすが部長!かっこいいです!素敵です!一生ついて行きます!!」

一生って、逢坂が卒業してもついて行く気なのか?と石田は思ったが、外崎ならばついて行きそうではある。
なにしろ彼女は、逢坂に心酔しているというか、最早崇拝しているというか、リスペクトが半端じゃない。

そんな外崎が逢坂の意見を全面肯定してよいしょと持ち上げて、なんならわっしょいと気分を上げるものだから、いい気持ちになった逢坂が暴走することもしばしば。
それを止めるのが石田の仕事でもあるため、この流れは大変にまずい。

「よし、じゃあ早速生徒会に殴り込みに行こう。えっと、どこかの段ボールにボクシンググローブが入っていたはず」

「殴り込みって、物理的にですか!?」

決まってるじゃない、と段ボールをあさり始める逢坂に、石田は慌てる。逢坂ならば本気で殴り込みに行きそうなので、その前にこちらも本気で止めねばならない。