青春の軌跡!

なによりも石田が困るのは、この状況を逢坂か外崎に見られたら、また連れ込んだと思われかねないところだ。
困りながらもひとまず石田は、自分の席に向かうために、部室の中央に置かれた長机をぐるりと回る。
本当は田仲の後ろを通れば最短なのだが、段ボールのせいで一旦田仲に避けてもらわなければ通れないので、仕方なく机を回って遠回りする。

どうしたものかと未だ考えながら、ひとまず笹崎から頼まれている仕事を進めようとパソコンを取り出して立ち上げると

「何でいるのかとか聞かないんだ」

声が聞こえたのでそちらを見ると、田仲と目が合った。

「今どうやって切り出そうか考えていたところだから」

「普通に訊けばよくない?“何でいんの”って」

それはそうなのだが、逢坂や外崎のようにぐいぐい攻めて行けないのが石田なのだ。

「何か新聞部に用事?」

せっかく相手から貰った機会なので、石田はここぞとばかりに尋ねる。
しばし石田を見つめたまま沈黙した後、田仲はにやりと口角を上げた。