青春の軌跡!



新聞部の部室にて、石田は大いに困っていた。
なぜって、部室のドアを開けたら先客がいて、しかもそれが自分以外の新聞部員のどちらでもなかったから。
ドアから近いところにキャンプ用の椅子を広げて、スマートフォンをいじってくつろいでいたのは、新聞部ではなく、生徒会の田仲だった。

ひとまず石田は部室から顔だけ出すと、ここが生徒会室ではないのを確認してから中に戻る。
まあ、壁を覆い尽くす段ボールを見れば、わざわざ確認するまでもなくここは新聞部の部室であることに間違いはないのだけれど。

外から見れば、ここが新聞部の部室であるというわかりやすい目印はない。反対に生徒会室は、大変わかりやすく“生徒会室”と名前付きのプレートが下がっているので、この二つを間違えたということはないだろう。
そもそも、同じ三階ではあっても場所が全然違う。

では、間違えて入ったのでなければ新聞部に用があるのだろうか。
生徒会が用事があって訪ねて来るというのは、石田の経験上ろくな用事でない気がする。