青春の軌跡!

「見なさい石田!可愛い後輩の愛梨がこんなにへろへろになるまでこき使われているっていうのに、あんたはそれでも生徒会の肩を持つか!」

「……いや、肩を持ったつもりは一度だってないんですけど」

「可愛そうな愛梨、あんな奴らにボロ雑巾のように使われて」

「……いや、そんな使われ方はしてないかと」

逢坂の中で生徒会への不満が膨らんでいるところに、部員である外崎から直接文句が聞こえてくれば、それはもう不満も更に膨れ上がるだろう。
石田の言葉など耳に入っていない様子で、逢坂は外崎を慰めている。

三年の逢坂を筆頭に、二年石田、一年外崎の三人が、現在の新聞部の全部員。
部活動として活動するには最低三人必要であるため、三年生である逢坂を含めて三人という部員数は中々ピンチな状況ではあるのだが、それを生徒会からの恩情によって救われているのが、現在の新聞部なのである。

恩情と言ってもただの情ではなく、もちろん救いの手を差し伸べる代わりとして、新聞部は生徒会の仕事を手伝っている。
かつては好きなネタでそれこそ好き勝手な校内新聞を作っていた新聞部だが、そのままでは生徒会の仕事を手伝ううえでよろしくないということで活動に制限がかかったことが、逢坂の“打倒生徒会”へと繋がっていた。