青春の軌跡!



「やられた……」

逢坂の憎々しげな呟きに、「何がだよ」と答える不機嫌そうな声。逢坂の視線の先には、声そのままに不機嫌な顔をした伏見の姿があった。

「性悪な元生徒会長にはめられたのよ。あいつ……ほんと性格悪い」

逢坂の言葉に、伏見は大方の事情を察した。

「今更だな。あいつの性格の悪さは、よく知ってるはずだろ」

そりゃあ知ってはいるが、それでもこうして嵌められるたびに何度でも言いたくなるのだ、あいつは性格が悪いと。

「部活か?」

脳内で錬成した笹崎へ強烈なパンチをお見舞いしながら、「そうだけど」と逢坂は返す。

「なによ。あんたも、“行ったってすることもないのに”とか言いたいわけ?」

睨み付ける逢坂に、伏見は小さくため息をつきながら「なんでお前はそう好戦的なんだよ……」と呟く。

「笹崎が嫌味ったらしいのはいつものことだろ」

「あんただって充分嫌味ったらしいけどね」

いつもならここから言い合いが始まるのだが、今日の伏見はそれ以上言い返しては来なかった。その代わりのように、深く息を吐く。
いつもとは違うその感じに、逢坂は思わず眉をひそめる。