「いいんですか?いっしー先輩。部長の留守中に部外者を部室に連れ込んで」
「いや、連れ込んでないから。向こうから飛び込んで来たの、外崎さんだって見てたでしょ。……それに、部外者とは言えないし」
「まあ飛び込んで来たって言うよりは、当たり前のような顔して堂々と入って来ましたよね。あれだけ我が物顔で来られたら逆にびっくりですよ」
石田と外崎が揃ってちらちらと視線を向ける先、部室のドアのすぐ横に積み上げられた段ボールをあさっていた人物が、そこから折りたたみ椅子を引っ張り出している。
「いっしー先輩、なんであの人はうちの部員でもないのに、あの椅子の存在を知っているんですか」
「僕に訊かないでよ……。座る物探して段ボールをあさってたらたまたま見つけた、とかじゃないの?」
段ボールから引っ張り出されたキャンプ用の折りたたみ椅子は、かつて新聞部だった先輩達の置き土産だ。
逢坂いわく、合宿と称して夏休みによく部員でキャンプに行っていた時に使っていたのだとか。
その椅子を広げて不具合がないか確認した後、どっかりと腰を下ろしてくつろぐ姿は最早部員である。



