青春の軌跡!



「香月ちゃんってね、結構涙もろいんだよ。でも強がりさんだから、人前で泣くのは恥ずかしいんだろうね。それで、泣きそうになっちゃうような雰囲気とか空気感が苦手なんだと思うな」

「……そうなんですか。……ところで、何か僕に用ですか?笹崎先輩」

放課後、教室で日直の仕事である日誌を書いていた石田は、なぜか突然教室に入って来た笹崎に目の前の席に座られ、逢坂の話を聞かされていた。

「特に用はないんだけど、廊下を歩いていたら真木くんの姿が見えたから、せっかくだしお話しようかなって」

「……そうですか」

さっさと日誌を書き上げて部室に行きたかったのだが、この流れで部室に向かうと笹崎もついて来そうなので、そうなると逢坂の怒りを買いそうなので、石田は内心ため息をつく。

「それで、香月ちゃんのお別れ会の準備は順調?」

にっこり笑顔での問いかけに、石田は思わず目を見開く。
なぜ笹崎がそのことを知っているのかという疑問と驚き、そして、だから突然逢坂は強がりだからという話をし始めたのかという納得。