青春の軌跡!

「部長強過ぎですよー!こっからじゃもう勝てないです」

「諦めるのは早いでしょ愛梨。ほら、もっとよく見て」

「さっきからずっと見てますー。盤上が部長の色に塗り潰されていくのを」

「しょうがないわね……。ちょっと石田」

苦笑する逢坂は、コーヒー片手に傍観者を決め込んでいた石田を呼ぶ。

「愛梨の方見てやって。全然まだいけるから」

「……僕、別にオセロ強いわけじゃないんですけど」

そう言いつつも言われた通りに盤面を見る。確かに逢坂の色の方が圧倒的に多いが、まだ勝機がないわけではない。

「外崎さん、とりあえずここに置いてみて」

「……でもそこだと、数がいっぱい取れませんよ?」

「“今は”ね」

石田の何気ない言葉に、逢坂が「ほーお」と反応する。

「なに、石田ってばそこから私に勝てる気でいるわけ」

「……別に、そんなんじゃないですけど」

「いいわよ、やってやろうじゃない!受けて立つわよ下剋上!」

どうやら、逢坂の変なスイッチを押してしまったらしい。