その頃新聞部は、逢坂が部室にて後輩二人に喝を入れていた。
「気を抜くのはまだ早い!私達にとって大事な活動はこれからよ」
新聞部らしい活動が出来た喜びと達成感でいっぱいになっていた石田と外崎は、逢坂がばしっと机を叩きながら放った言葉に慌てて姿勢を正す。
「ひと仕事終えてほっとする気持ちはわかるけど、私達にはまだやらなきゃいけないことがあるでしょ」
「えっと……」
石田が外崎の方を窺うと、外崎もまた答えを求めるように石田の方を窺っていた。
仕方がないので、ここは先輩たる石田が逢坂へ問いかける。
「やらなきゃいけないことと言うのは、具体的には何ですか?」
石田の問いに、逢坂はカッと目を見開く。
「何を寝ぼけたこと言ってるのよいしだ!」
「……“いしだ”じゃなくて“いした”です、部長」
何だかこのやり取りは久し振りだなと思いながら石田が返すと、逢坂が再びばしっと机を叩いた。
「今の新聞部にとって一番大事なこと、新入部員獲得に決まってるでしょ!」
言われて気が付く。確かにそれは、今の新聞部にとってなによりも優先しなければならないことだった。



