青春の軌跡!



購買部で買ったパンを抱えて、逢坂は廊下に立っていた。なぜって、入ろうとした教室から先客の話し声が聞こえてきたから。
二つとも知っている声なのだが、なぜ昼休みにそこにいるのかは謎だった。

新聞部の部室として使っている教室、その中から聞こえてくるのは、後輩石田と宿敵生徒会の田仲の声。
田仲のせいでここ最近疲れ果てている石田をよく見ている逢坂としては、ここは勢いよく乗り込んで行って可愛い後輩を救うべきところかもしれないと思ったが、ドアに手をかけただけで動きは止まる。

聞こえてくる“プレッシャー”という単語。それを発しているのが石田であることが、逢坂の動きを止めさせた。

石田がプレッシャーを感じることがあるとすれば、逢坂に思い至るのは新聞部のことだ。
確かに、順当に行けば逢坂がいなくなったあとの新聞部は石田へと託される。もちろん、廃部にならなければの話だが。
それに対して、石田はプレッシャーを感じているのだろうか。感じているのだろう。石田の性格を考えれば頷ける話だ。