巻き舌で凄むような言い方の逢坂に、石田は冷静に訂正を入れる。
普段は“いした”とちゃんと呼ぶくせに、たまにこうして間違えるのはわざとなのか。それとも感情の高ぶりによって濁点がついてしまうのか。
「それでもあんたは新聞部か!いい、私達新聞部は、常に“打倒生徒会”の心を忘れちゃいけないのよ」
入部してからずっと、逢坂より、心に刻め!と教えられ続けてきた言葉なので、もう耳にタコなので、忘れたくても忘れられないくらい石田の脳内にはその言葉が染み付いている。
けれどそんな石田としても、どうしても言わなければいけないことがある。
部長にお言葉を返すのは気が進まないが、それでも言わねばならない。
「でも部長、現状新聞部は生徒会のおかげで成り立っているってこともまた事実ですよ。打ち倒しちゃったら、新聞部も共倒れです」
石田の言葉を受け、ぎりっと音が聞こえそうなくらい歯噛みした逢坂は、握った拳を机に叩きつけてそのまま突っ伏した。
「わかってるわよそんなこと!だからこそムカつくんじゃない!だからこその“打倒”なんじゃない!!」
普段は“いした”とちゃんと呼ぶくせに、たまにこうして間違えるのはわざとなのか。それとも感情の高ぶりによって濁点がついてしまうのか。
「それでもあんたは新聞部か!いい、私達新聞部は、常に“打倒生徒会”の心を忘れちゃいけないのよ」
入部してからずっと、逢坂より、心に刻め!と教えられ続けてきた言葉なので、もう耳にタコなので、忘れたくても忘れられないくらい石田の脳内にはその言葉が染み付いている。
けれどそんな石田としても、どうしても言わなければいけないことがある。
部長にお言葉を返すのは気が進まないが、それでも言わねばならない。
「でも部長、現状新聞部は生徒会のおかげで成り立っているってこともまた事実ですよ。打ち倒しちゃったら、新聞部も共倒れです」
石田の言葉を受け、ぎりっと音が聞こえそうなくらい歯噛みした逢坂は、握った拳を机に叩きつけてそのまま突っ伏した。
「わかってるわよそんなこと!だからこそムカつくんじゃない!だからこその“打倒”なんじゃない!!」



