青春の軌跡!

石田からの指摘で肝心なことを思い出したのか、逢坂が「ああ……」と脱力したような声を上げる。

「他に誰かいないの?立候補者」

「もう立候補の期間は終わっていますし、笹崎先輩の後任っていうプレッシャーに打ち勝てる人なんてそういないですよ」

「誰よ、“歴代最高”なんて言い始めた奴。そんなこと言うから後輩が無駄なプレッシャーを感じるはめになるんじゃない」

まったく……とため息をつく逢坂。それに、石田は苦笑を返す。

“歴代最高”――その後任は確かにプレッシャーが大きいだろう。でも、あとを任される者は誰しも、多かれ少なかれプレッシャーを感じるものだ。
先輩の背中が大きければ大きいほど、次代を担うプレッシャーもまた大きい。

前を行く逢坂の背中を見つめながら、この背中が見られなくなる日のことを考えて、石田は少しだけ不安になった。