先程から上機嫌に鼻歌を歌いながら歩いている外崎に、石田は「ご機嫌だね」と声をかける。すると、満面の笑顔が返ってきた。
「そりゃそうですよ!だって、一年生二人分の取材がこんなにスピーディーに済んじゃったんですから」
部長に良い報告が出来ます!と嬉しそうな外崎は、きっと“よくやった愛梨!”と褒められるのを想像しているのだろう。
外崎と違って褒められることを期待しているわけではないが、石田としてもこんなにもスムーズに取材が済んだのは嬉しいことだった。
「まあでも、まだ結城くんが残っているけどね」
「教室にはいなかったし、念のためサボり魔先輩の教室の前も見に行きましたけど、そこにもいなかったですもんね。ということは、生徒会室にいますよね、きっと」
「……サボり魔先輩って、ひょっとして田仲くんのこと?」
「もちろんです」
正しくはあるのだが、先輩につけるにしてはとんでもないあだ名だなと思う。だがまあ、“先輩”とついているだけ良しとしよう。



