青春の軌跡!

「おい、聞こえてるぞ。“うげ”ってなんだ、先輩に向かって」

丁度階段を上り切ったところの伏見と、まさかの鉢合わせ。
田仲が嫌そうな顔で声を漏らすと、伏見は眉間にきゅっと険しい皺を刻んで田仲を睨み付けた。

「透也、お疲れ様」

「……お前な、田仲を捕まえたなら捕まえたって連絡くらいくれてもいいだろ」

「ついさっきたまたま会ったんだよ」

にっこり笑う笹崎に、伏見は大きくため息を一つ。

「まあ何でもいい。とにかく、今日という今日はきっちり仕事してもらうからな」

「ええー、もう笹崎センパイ、伏見センパイはいないって言ったじゃないですかー」

「嘘は言ってないよ。ここで会ったのも偶然だしね」

またにっこり笑う笹崎に、田仲はげんなりした顔でため息を一つ。
笹崎に前を、伏見には後ろを押さえられ、こっそり逃げ出して新聞部に戻る作戦は中止せざるを得なくなってしまった。