青春の軌跡!

「私にとってはこれが最後でも、新聞部にとってはこれで最後じゃない!」

近くにいなくてよかった。これで手が届く距離に笹崎がいたら、この思わず握りしめた拳が、あの笑顔にめり込んでいたことだろう。

「ああ、そうだったね、ごめんね。一大勢力を築くんだもんね」

にっこり笑う笹崎に、逢坂は握った拳に更に力を込めて「今に見てなさいよ!」と言い放ち、残りの階段を駆け下りた。
まるで捨て台詞のようになってしまったその言葉に、足早に遠ざかる背中に、笹崎が可笑しそうに笑う。

「笹崎センパイ、さすがに性格悪過ぎでは?」

思わず呟いた田仲の言葉に、笹崎は笑いながら視線を上げる。

「香月ちゃんの反応が面白くて、可愛いのが悪いよね」

笹崎に性格がよく似ていると言われる田仲だが、これに比べたら自分なんて可愛い方では?と思えてくる。
似ているだなんてとんでもないと、次からは否定しようかなと考えていると、楽しそうな顔のまま笹崎が階段を上って来た。