「大丈夫なんすかー?二人だけにして。めっちゃ不安そうでしたけど。特に一年の方が」
「そう思うんなら素直に帰りなさいよ。誰のせいだと思ってんのよ」
逢坂が睨み付けると、田仲は「だってー、居心地いいからー」などと甘えた声を出す。気持ち悪いので、逢坂の眉間の皺がきつくなった。
「ところでオレって、どこ連れて行かれるんすか?方向的に生徒会室じゃなさそうっすけど」
「私が言うのもなんだけど、どこに行くかも知らないでよくついて来たわね」
流れ的に、生徒会室に連行されてもおかしくなかったというのに。
「あそこに残って真木をいじり倒すのも楽しそうだったけど、センパイについて行くのも楽しそうだなって」
まったく、いい性格をしている。逢坂はため息を一つ。
「あんまり石田をおもちゃにしないでもらえる」
「だって真木は反応がいいから」
にっこり笑って答える田仲は、悪びれる様子もない。こういう手合いは、真面目に相手をするだけバカを見るのだ。
わかってはいるが、いつまで我慢出来るかは逢坂自身にもわからない。



