青春の軌跡!

「生徒会長の立候補者、あれほんとに間違ってないの?出来上がってから修正かけられても困るんだけど」

「でも真木くんなら、お願いしたらぱぱっと直してくれそうだよね」

「うちの子は優秀なのよ。あんたのとこのサボり魔と違って」

「由人くんも、あれでやる時はやれる子なんだよ?ただ、やれって言われるとやる気が出なくなっちゃうだけで」

由人くんとは誰だと逢坂は数秒考えて、ああ田仲の下の名前かと思い至る。
この男、誰でも下の名前で親しげに呼ぶので、時々それは一体誰だ?とすぐにはわからないことがある。普段自分が名字で呼んでいる後輩などは特に。

「ていうか奏太郎あんたね、ひとの後輩を馴れ馴れしく下の名前で呼ぶんじゃないわよ。私だって名字で呼んでるのに」

「真木くんのこと?だったら香月ちゃんも呼べばいいのに、“真木”って。確か愛梨ちゃんのことは、愛梨って呼んでいるよね」

「愛梨は、そう呼んで欲しいって初めの自己紹介で言ってきたからいいのよ。でも石田は、先輩に下の名前で呼ばれるのは嫌なタイプかもしれないでしょ」

「へー、香月ちゃんってそういうの気にするタイプなんだ」

笹崎に笑顔でそう言われると、バカにされているような気がして腹が立つ。万が一本人にバカにするつもりはなくとも、声の感じからして絶対に面白がってはいる。