青春の軌跡!

「苦手なのはよくわかりましたけど、立候補者であるのはどうしようもないですから、彼の分の紹介文だって作らないわけにはいきませんよ」

「思ったんだけど、他に候補者がいないんだから、別に紹介文とかいらなくない?投票の時には一人しか入れられる人がいないのよ?そもそも投票自体いらないじゃない」

確かに逢坂の言う通りだ。石田だってそれは考えなかったわけじゃない。

「でも、佐々木先生が言っていた校内新聞風のってやつは、部長も乗り気だったじゃないですか。例え必要のない紹介文でも、それで新聞部らしい物が作れるなら」

この機会を、逃したくない――それはきっと、新聞部の総意であるはずだ。

「ほらね、言ったでしょ愛梨」

石田の想いが伝わって逢坂も奮起する、のかと思いきや、逢坂はふふんと得意げに笑って外崎の方を見た。

「石田はこう見えて、“打倒生徒会”の志を強く胸に刻んで、密かに熱く燃えている男なのよ」

いや、さっきはそこまで言っていなかった。熱く燃えているなんて絶対に言っていなかった。
そんな言い方をされると無性に恥ずかしくなってくる石田だが、妙に嬉しそうな逢坂を見ていると、何も言えなかった。
だから、一人静かに羞恥に耐える。