「なっ、ん……はあ!?」

新聞部の部室に、逢坂の困惑した声が響く。

「……気持ちはわかります。僕も見た時は驚きました」

自分の定位置ではなく、逢坂の席の横に立っていた石田がその困惑に同意を示すと、逢坂が勢いよく顔を上げた。

「驚きなんてもんじゃないわよ!何かの間違いじゃないの?あとで間違いでしたーなんて言われてもムカつくから、奏太郎に確認を――」

「いえ、あの……既に本人に確認が取れています」

神妙な面持ちでそう答えた石田は、逢坂から視線を動かして、ドアの方を眺める。
逢坂もまたその視線を追いかけるように同じ方向を見ると、そこにはいつものように我が物顔でくつろぐ田仲の姿があった。

「絶対何かの間違いに決まってる。見なさいよあれ、よその部室で当然のようにくつろぐような奴よ?あり得ないでしょ」

「……気持ちはわかります」