「……なんだか物凄く嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
生徒会室にて、先程まで使用していた黒板をクリーナーで綺麗に消しながら、生徒会書記の一年、結城 尚が怪訝な顔で振り返る。
視線の先には、わざわざ資料を片付ける手を止めて険しい顔をする、生徒会副会長三年の伏見 透也がいた。
「それはあれですか、佐々木先生と一緒に職員室に行った笹崎先輩が、このまま帰って来ないとかそういう感じですか?」
「……確かに戻りが遅いとは思っているが、そうじゃない」
「じゃあ、集合写真撮り終わった瞬間姿をくらました田仲先輩が、どこぞで何か良からぬことをしてそうな予感ですか?」
「言われてみれば、あいつどこ行った……?」
どうやらそれも違うらしい。となると、結城が思い付く可能性はあと一つ。
「それならもうあれじゃないですか、逢坂先輩が伏見先輩を呪っているんじゃないですか?帰り際に生徒玄関で派手にこけろーとか」
自分で言いながら、これが一番ありそうだなと思った。



