こんにちは、推し様

私はダッシュで部屋に戻って昨日の夜、何時間もかけて考えた服に着替える。

やっぱり派手過ぎたらだめだし、動きやすくないといけないし……でも、『Glow』に会うんだからおしゃれしたいし……!っていう思いで、クローゼットの中身を全部ひっくり返していろいろ合わせてみたんだ。

最終的には、オーバーサイズのジーパンに少しロゴが入ったシンプルなシャツを着て、かばんは資料が入るように少し大きめ。あと、靴はスニーカーを履く、と言うコーディネートになった。

鏡の前に立って一回、回ってみる。

汚れているところはなくて、ストリート寄りだけどかっこよくおしゃれできてる!

ダッシュで洗面所まで行って顔を洗って、またリビングにダッシュした。

「あら、早いわね。ご飯できてるわよ」

そう言ったママは、私のご飯を机に並べてるところだった。

「そう言ってるママもね。ありがと。いただきまーす」

そう言ってから椅子に座ってパクパク食べる。

――ピロン♪

すると、ダイニングテーブルに置いていたスマホが鳴る。
お姉ちゃんからだった。

[今日の対面から早速仕事入っちゃた!よろしくね~]

メッセージにはそう書かれていて、せき込む。

はぁ~?急すぎるでしょう!
一応動きやすい服にしてたからよかったけどさぁ……もう家出てて、めっちゃフリフリスカートだったらどうするつもりだったのよ!

そう心の中で文句を言いながらも、メッセージを送り返した。

[わかった]

怒ってることを主張したくて、そんな短い言葉だけ送る。
スマホを閉じてご飯に集中した。

「ごちそうさまでした!おいしかった~」

食べ終わってそう言った。
食器を持っていこうとすると、ニコニコのママがこっちに来て食器をひょいと取る。

「あ、私やるよ?」
「いいのよ。というか時間ないわよ。早く行きなさい」

ママがそう言ったので時計を見ると、10時半になっていた。