こんにちは、推し様

「もー……仲良くしましょうよ」

私はポツリとそう呟く。

「社長に仲良くさせろって言われてるんですよ……じゃないと私クビかも…」

咄嗟に思いついたことを口にしてみる。

いやまあ、仲良くさせるっていうのは契約書に書いてあったし……クビはちょっと盛ってるけど、まあ多分ほっぺ摘ままれるかもしれないしー大方間違いではない、ハズ。

そんなことを心の中で勝手に訳していると、二人がバッとこちらを見た。

「「ク、クビ⁉」」

また同時にそう言う二人。

「それは早く言おうよ!蓮花ちゃん!!」
「そーだよ!!ごめんね、もうやめるから!」

申し訳なさそうにそう言う二人。

それにこちらの方こそ申し訳なくなった。

いや、私嘘ついてるんだけど……いやあってるっちゃあってるけど……。

そんなことを心の中で思っていると、「ごめんね」と二人で揃ってそう言ってきた。

すると、揃ったのが嫌だったのかまたまた睨み合いを始めた。

「ちょ――!」
「ほらほら、喧嘩はやめるんだよ~」

私がもう一度仲裁に入ろうとすると、その前に大きな手が二人の頭に一つずつ置かれた。

その手をたどってみるとそこにはユラがいた。

そのあと二人の首根っこを掴んで、さっきのナギサみたいに二人に説教をし始めるユラ。
二人はユラにお説教されて、少しシュンとしている。

フフッ、なんだかかわいい……。
それに最年長の圧っていうのかな?ユラ、頼もしい。

私はそんなことを思いその様子も見ながらこんなことも思った。

二人、返事が結構揃ってるし…実は仲いいんじゃ……?なんてこと。