ふわふわとした笑顔でそう言ってくるナギサ。

なんか、さっきと雰囲気が違うような……？
最初は頼れるしっかり者で苦労人な感じだったのに……あれれぇ？

そんなことを考えながらナギサに向かってさっき聞いていなかったらしい注意を言おうとすると、誰かの手がナギサの肩をガシッとつかんだ。

驚きながらもその手をたどって顔を確認すると、なんだか怖い顔をしたミズキが眉根を寄せてナギサを睨み付けている。

「ちょっとナギサくぅ～ん??蓮花困ってるじゃん？相手の顔しっかり見て、相手のこと考えなよ」
「ん？俺にそんなこと言っていいの？てか呼び方変わってるけど」
「別に～？呼び方なんて変わってないんじゃない？僕はマネージャーちゃんだけど」
「あれ、マネージャーさんじゃなかった？」
「いやいや～」
「あれれぇ？なんか言い訳しなくなったね、もしかして図星かな」
「………クッソムカつくﾎﾞｿｯ」
「ん？なんか言った？」
「なんですか？何も言ってないんですけど」
「そー、ならいいんだけど」

え、えっと……なんかすっごい険悪な雰囲気なんだけど……なんで？
もしかして意外とこの二人の中って悪い感じ??
というか、ミズキがまた蓮花って言ったよね……⁉

そんな風なことを思っていると、二人が急に無言になってなぜか睨み合いを始めたので、仲裁に入っていく。

「ちょ、ちょっと！喧嘩なんてしないでください!!」

二人の間に割って入ると、私よりも背の高い二人の視線が私に突き刺さる。

「仲良くしてくれないと………」
「しないと？」
「俺たちどーなるの？蓮花ちゃん」

そう言ったはいいものの、そのあとの言葉に詰まってしまう。

「えぇっと……社長に言いつけちゃいます!!!」

パッと思いついたことを言ってみると、二人はパッと目を見開く。

かと思うと、すぐに二人は口を開いた。

「「別にいいよ？」」

二人が同時にそう言ったかと思うと、その瞬間にパッと目を合わせた。

そしてまた、「合わせてくんな！」と言い合いながらにらみ合いを始める。