こんにちは、推し様

「遅れました~、ごめんなさい社長!」

ドアを開けた本人は、反省していなさそうに言いながら社長室へと入ってきた。

その犯人はミズ君。

その後ろから他のメンバーもぞろぞろ入ってくる。

一番後ろにはとてもぐったりしているナギサ君がいた。

いつもキビキビしてるのに、大丈夫かな?

心配になって愛奈に目配せをすると「いつものことよ」と口パクでいわれる。

ナギサ君ってリーダーであり苦労人でもあるんだな……。

そんなことを一人で思っていると全員がソファに座ったので、私と愛奈も小さな台を挟んで並んでいる一人用のソファに座る。

そして、私が自己紹介をして今に至る。

「ごめんね、いつもこうで。俺は梶葉渚(かしはなぎさ)。Glowではナギサって名乗ってるからそっちで呼んでくれると嬉しいな」

ナギサ君がリーダーらしく、一番最初に自己紹介をしてくれた。

というか、本名まで教えてくれるんだ。

「俺は、ユラ。武塔佑良(むとうゆら)です。蓮花ちゃん、よろしくね~」

そう軽く自己紹介したのは、ナギサ君の隣に座っているユラさん。

ユラさんの笑顔、動画の中とかより大人の余裕とナンパしてきている感じの色気?みたいなのが醸し出されている。

「……ふぁぁ~おはよう」

すると、そう言いながら伸びをして起き上がってきた一人の男の子。
ナギサ君を挟んでユラさんの反対側に座っているエイリ君だ。

「あ、エイリ。マネージャーさんに自己紹介」

ナギサ君がエイリ君に向かってそう言う。

「んん?マネージャー?新しい?」
「そう」

エイリ君は目をごしごしこすりながら口を開いた。

「おはよーございます。藤沢瑛利(ふじさわえいり)です」