それから数日後、社内に一通の異動通達が回る。 「佐伯課長、来月から海外事業部……!」 誰かの声に、フロアがざわつく。 結衣の胸はぎゅっと締め付けられる。 だけど、もう逃げない。次のステップへ踏み出す覚悟が、彼女の中に芽生えていた。