組長様は孤独なお姫様を寵愛したい。


すると突然思い出したように橘さんが言った。


「あ、そーだ。茉白にはこれから働いてもらうよ。」


「…え?確か昨日は準備期間だって。」



もうその…夜のお仕事をしなければいけないのだろうか。


「あー、働くってキャバじゃなくて。」

「じゃあ何を…?」

「茉白には屋敷の掃除とそれと…」




「俺の抱き枕として働いてもらうから。」



なるほど、お屋敷の掃除と橘さんの…………なんて?

抱き枕…!?!?


今、ありえないような仕事内容が聞こえた気がする。



「すみません、お屋敷の掃除と何ですか?」


「ん?俺の抱き枕。」



………え???

な、何を言ってるの橘さんは。



「ちなみに、その理由は…?」



抱き枕になれだなんて言う人がこの世に存在するのだろうか。

本当に意味がわからない。



「あーー…。俺ね、結構な不眠症で。でも昨日茉白と飯食べた時イジョーに落ち着いたから茉白が横に居たら寝れるかなーって。」


橘さんは、なんでだろうね?お前にはなんか癒しパワーがあるのかな、なんて言いながら薄ら笑いを浮かべている。



「ま、もし全然落ち着かなくて寝れそうに無かったらお役御免てことでいーよ。」