組長様は孤独なお姫様を寵愛したい。

まるで免疫が無い私は、橘さんにとっては些細でしかないだろうけど

一気に心臓がドクドクと脈を打ち始める。


それに未だに頭は撫でられ続けていてどんどん恥ずかしさが込み上げてくる。



「う、もう撫でないでください…、」



距離を取ろうと思って必死に橘さんの胸板をぐいぐい押すけどピクリともしない。


…~、何で離してくれないの、



「茉白は人の加虐心を煽るのが上手だね。そんな逃げたそうにされたらもっと逃したく無くなる。」



ひ、酷い…。

ヤクザにとってはこういう思想が普通なの?



「ふ、耳まで真っ赤。かわいーって言われただけでこんなんになっちゃった?」


「っ、…。」


「んー?茉白、返事は?」


「……はい」




意地悪だ。

橘さん、本当に意地悪な人なんだ。



もう恥ずかしくて今すぐ穴を掘って隠れたい。



「じゃ、そんな茉白に俺が朝からここに来てた理由教えてあげる。」