な…!

せっかく蜜くんの激レアスマイルを見れるチャンスだったのに。



「蜜くんの意地悪。」


「絃羽が全部悪い。…俺1回部屋行くから適当に待ってて。」



蜜くんはそう言うと、すぐにパッと手を離して私に背を向けて自分の部屋に入っていった。



蜜くんの笑顔見たかった…。



なんて思うけどもう仕方ないよね。


蜜くんに言われた通りソファーに座り込んで既についていたテレビを見る。




すると3分ほどしてソファーの沈みがより深くなった。





「あ、蜜くん。」



部屋から戻ったようでソファーに人一人分くらいの距離を空けて蜜くんが座った。



…遠い……。


もっとこう、近づいて座るものじゃないんですかね…。



「そんなこっち見ないでくれる。」



こっちをチラリとも見らずに冷たく言い切られる。


…蜜くんってケチ大魔王だと思う。



「あ、そうだ!今日ね見たい映画があるの!」



そういえばと思い、体ごと蜜くんの方に向けてそう言うと、鬱陶しそうだけどこちらに視線を向けてくれた。