普通の彼氏だったら歩幅も合わせてくれるのかな。


なんて思うけど、蜜くんだもん。仕方ない。

私はもう一緒に登校できてるってだけで幸せなんだ。




それに蜜くんが歩幅を合わせてくれないならこっちだって策はあるんだから。


一気に駆け足になって蜜くんのとこまで追いつく。


そしてギュッと蜜くんの手を握った。




｢…何してんの。｣



反応は予想通り。嫌そうな顔に嫌そうな声色。




｢蜜くんが歩くの速いから手繋いでみたの。｣



大体この後の蜜くんの行動は2択。

手を振り払うかそのまま繋いでおくか。



今日は、





｢…へー。｣





そのまま繋いでくれる日だ…！


さっきまでもやがかっていた気持ちが一気に幸せな気持ちに移り変わる。



｢ふふ、やったー。｣


｢…。｣




大きな蜜くんの手の平。


私が大好きなこの冷たい体温。




蜜くんがたとえ私を嫌いでもいい。私から別れを告げることは無いから、


蜜くんが別れたいっていうその日まで私は絶対この手を離したくない。