「お前……後悔はしておらぬか」
「後悔? なぜ」
「仮にの話だが……お前の姉巫女がほんに自ら進んでこの地を守らんとしていたならば、お前のなしたことこそが異常であったやもしれん。村の者も、姉巫女も正常であり、異常だったのは今ここで立っておる俺やお前だけだったのかもしれん。……後悔はしておらぬか」
少し、考えた。
亡と見やった目の前な広がるのは、赤黒く湿った光景。
右手では南塔が女の体をしゃぶり、食いちぎっていたし、左手では風呂敷を抱えた腰巻き一枚の小男が、散らばっている死体の頭や肝を広い集めていた。恐らく、それが西蔵という鬼であろう。
その二人に混ざり、もぞもぞと巨大な蟲のように這いずり回っているのは、手足の欠落し、肉の朽ちている文字通りの半端な活き人形――六条殿が言うには、北門の傀儡であるらしい。
私のすぐ足元にも、女か子供かの細い手首が転がっている。
じっと見ていると、小指が一瞬動いた気がした。
崩れずに残っている家の塀には血糊が走り、倒れた木の枝には臓物が蜘蛛の巣のように引っ掛かっている。
「後悔? なぜ」
「仮にの話だが……お前の姉巫女がほんに自ら進んでこの地を守らんとしていたならば、お前のなしたことこそが異常であったやもしれん。村の者も、姉巫女も正常であり、異常だったのは今ここで立っておる俺やお前だけだったのかもしれん。……後悔はしておらぬか」
少し、考えた。
亡と見やった目の前な広がるのは、赤黒く湿った光景。
右手では南塔が女の体をしゃぶり、食いちぎっていたし、左手では風呂敷を抱えた腰巻き一枚の小男が、散らばっている死体の頭や肝を広い集めていた。恐らく、それが西蔵という鬼であろう。
その二人に混ざり、もぞもぞと巨大な蟲のように這いずり回っているのは、手足の欠落し、肉の朽ちている文字通りの半端な活き人形――六条殿が言うには、北門の傀儡であるらしい。
私のすぐ足元にも、女か子供かの細い手首が転がっている。
じっと見ていると、小指が一瞬動いた気がした。
崩れずに残っている家の塀には血糊が走り、倒れた木の枝には臓物が蜘蛛の巣のように引っ掛かっている。

